2005年02月12日
和泉かねよし Vol.7/2005年2月12日
皆さんは乙女心を持ってらっしゃいますか?私は少女漫画家として失格なのですが、どうもそのテの繊細な心に欠けるようです。
最近も仕事で乙女さが足りない、と反省する機会がありまして、友人の事を思い出しました。
時は遡りますが、私が中学生のころ、友人Mが恋をしました。相手は開校以来の秀才といわれ、生徒会長でテニス部の部長、という絵に描いたような人。
私とMの通学路の途中に彼の家はありました。Mはそこを通るたびに5分は立ち止まったものです。(立派なストーカー行為ですが、乙女の前に法律とか無粋なものは無力)
彼の家は、私達下々の者と違い、品がいいというのか、時々クラッシックが流れ、軒先にはカナリアの鳥籠がさげられていました。
私はMもカナリアを飼っていたことを思い出し、彼のカナリアと交尾させ、親しくなる機会を作ったらどうか、と提案しました。(自分のことながら、バカの思考回路って…)
さっそく、そのカナリアの雄雌を確かめるために門をくぐった私達は(不法侵入)、庭先に彼のものと思われる、よれた白いブリーフが干されているのに気付きました。
それまで恋する乙女の顔をしていたMがみるみるうちに真顔になり「あ、もういいや。なんか好きじゃなくなった」といい残し、さっさと、翌日には別の男の子を好きになったのは見物でした。
おそらく、Mの恋する夢の国は、現実の白いよれたブリーフの存在を入国拒否したのでしょう。
男にとっては、腹立たしいことこの上ないでしょうが、これが乙女心というやつなんだな…と、妙に納得した出来事でした。