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まんが家 WebTalk

2009年07月13日

八寿子 Vol.15/2009年7月13日

八寿子 Vol.15/2009年7月13日

愛する君へ。


君と初めて出会った時のこと、私は今でもよく覚えています。
その時、私は小学5年生、君は平成3年12月号だったね。
それまで、り○んという娘と付き合っていた私にとって、君との出会いがどれほど衝撃的であったか、君にはわかるだろうか。


平成3年12月号、

『BASARA』ではまさに鈴鹿殺人レースが始まり(まさか朱理がヒーローとは思ってなかった)、
『はじめちゃんが一番!』の番外編『雨に似ている』では男同士の友情以上の感情が描かれ(本編のビンボーネタには唸らされた)、
『×ーペケー』では美麗な絵とはうらはらにドス黒いボケが見事にボケっぱなされ(タイトルスペースのコメントがまた秀逸)、
『少年三白眼』はいきなり最終回であろうとも、脅威の吸引力で私の読む手を止めさせず(ベッキィとヒロムの親父が超ツボ)、
『世紀末てっぺんBOY』は、読後、友人同士で一番黄色い声をあげて盛り上がり(だんぜん尊君派☆)、
『BANANA FISH』は正直当時は怖くて読めなかったが(10歳だった。許してほしい)、後には文庫をコンプリートしバイブル化(ショーターすげー好きだった…)、

挙げればキリがないほど、とにかくたくさんのまんがたちが「こんなに濃くて刺激的で面白い世界があるんだよ!」と語りかけていたね。


そんな君に心うばわれて18年。
君がきっかけで漫画家を志し、
君でデビューを果たし、
時にはそっぽを向かれたこともあったけれど、
今回ようやく、君の表紙を描けることになりました。

君の歴史に私の存在を、ささやかながらも刻むことができて本当に嬉しい。
思えばこれまで、こんなにも私の心を震わせることができたのは君だけでした。
ありがとう。

君と、1号でも長く、共に歩めることを願って。

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